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「やっほ~、つかさにかがみん♪」 「こなちゃん、いらっしゃい。」 「おーっす、こなた。」 「かがみの太る時期の到来だね~」 「って、おい、なんだと!?」 雪もそろそろ限界を迎え始め、溶ける物が他にもたくさん出てくる時期である。 今日はまさしくその当日であるが、私の場合は受験で脳まで溶けそうな勢いだった。 そう、大学入試が数日後に差し迫った日なのである。 『メルトダウン』 「いやぁ、チョコレートの季節だからね。かがみは注意しないt…いはいいはい!」 「余計な事を言うからよ。」 「かがひ、いはいっへは!」 「お、お姉ちゃん、そろそろ放してあげたら?」 そう言われて、ようやくこなたの頬を放す。この感触が良くて放したくなくなるのよねぇ。 「かがみ…もう少し手加減してよ…。私だってデリケートなんだからサ。」 「なーにがデリケートよ、化粧とかあんまりしてないくせに。」 「そりゃ、いつもはしてないけど、たまにはしてるんだよ?」 「じゃあ例えば、いつしてたのよ?」 「ん~、入学式とか写真撮る時とか?あと、かがみとのデート前は欠かさずしてるね♪」 不意打ちに顔が熱くなる。でも、付き合い始めて数ヶ月も経つ。さすがに慣れてきた。 「へ、へぇ、あんたしてたんだ。全然気付かなかったわ。」 「ひどっ!せっかく時間かけてるのに…。」 「仕方ないでしょ、あんたと行くような場所じゃ気付きにくいわよ。」 私の反応がいたって普通だったのに対してか、今まで気づいてなかった事に対してか、 どことなくがっかりしてるようだったが、後者の場合は仕方がないと思う。 行くところはゲマズやアニメイト、良くて映画かお互いの家だし、最近は受験でそれらすらいけない。 それでも気付くべきかもしれないが、相手の顔が良く見れる場所じゃないと気付けないと思う。 正直、ムードのあるデートなんぞ行った事がないし、こっちから計画しない限りないだろう。 前に一度計画したものの、雨で計画崩れして、その後は受験で忙しくて実行できてない。 今日は受験を控えた直前かつ、最終となる息抜きである。 「結構大変なんだよ?このさらさら感を保つのって。」 「そうだよねぇ、それだけ長いと大変そう…。お姉ちゃんも結構苦労してるよねー。」 「…さらさらって、髪かい!」 「うん、そだヨ。かなり大変なんだよねぇ。最近はゆーちゃんにも手伝ったりしてもらったり…」 「ほっぺた関係ないじゃないのよ!」 「ばれた?でも、ちゃんと手入れはしてるよ~。化粧はしてないけどね。」 「手入れぐらいなら誰だってやるわよ、まったく。」 「でも、あんなに長くやんなくたっていいじゃん。いくら受験でストレス貯まるからってさぁ…」 「やつあたりじゃないわよ!ただ、あんたの…!!な、なんでもない…」 思わず、柔らかくて気持ちいいからやりすぎたって言いそうになってしまった。 素直に言ってしまえばいいと思う人もいるだろうが、弄られると分かって言うのは特定の人しかいない。 そして私は弄られるのは嫌いではないが、だからと言って自分から志願する気は毛頭ない。 「ん~~?なにかなぁ、かがみん。気にせずデレてごらん♪」 「言えるかぁ!そして、デレとか言うな!」 「いいじゃん、減るもんでもないし~。それにこれじゃあ、私が理不尽な怒りを食らったみたいだし。」 「だから、違うって言ってるでしょ!た、ただ…柔らかったから…つい…。」 それでも言ってしまうのは私の心の弱さか…決して弄られるのを望んでるわけじゃないからね! 「確かにこなちゃんのほっぺたって柔らかそうだね~。」 「素直に言えばいいのに~。むふふっ、照れたり怒ったり、相変わらずかがみは可愛いねぇ。」 「だぁー!人前で恥ずかしいこと言うなー!!」 「お姉ちゃん、お、落ち着いて!」 しばらく弄り倒された上に、つかさの天然発言も重なって、私は抵抗できないままだった。 お決まりのパターン、結局いつもこうなるのよね…だ、誰も嫌だなんて言ってないわよ? ただ、こう男女で言う尻に敷かれる感じかしら…怒られたわけじゃないんだけど、敵わないのよね。 たまに勝てても、すぐに切り返されて結局弄られるのは私になるから、完全勝利したことないし…。 どうにかして完全勝利、つまりこなたが弄られっぱなしになる方法を考えていると、 「かがみんや、本来の目的を忘れていないかね?」 「本来の目的?」 言われなくても分かってる。でも、ここであることにピンと来た。 「私がなんのために今日ここに来たのか分かってない?」 「受験前の最後の息抜きよね?」 「そうだけど、そうじゃなくて!…かがみ、わざとやってる?」 「冗談よ、バレンタインでしょ?わざわざ言わなくても分かるわよ。」 「んじゃあ、はい。」 こなたはおねだりの顔をしながらこっちを見て、手を出している。明らかに催促してる体勢だ。 あちらからチョコを差し出してくるかと思ったが、これはかえって好都合だ。 「あー、ごめん。今年は受験で忙しいから作ってないんだわ。受験後でいいなら作るけど?」 「え、だっt(むぐっ)」 一度制止して、つかさにしばらく黙っているか、話をあわせるように言って、解放する。 つかさは素直すぎるから、あらかじめ止めておかないと何から何まで話す危険があるからね。 「ねぇ、つかさ、何を言おうとしたの?」 「ふえっ?そ、それはお姉ちゃんが…。」 「あんたが作ってくれるかなって少し期待してたのよ。 でも、少し考えればこなたも私達と同じで、忙しいのにね。ただそれだけよ。」 「えーっ!それじゃあ、今年は私チョコ0個じゃん!そりゃないよー…。」 よっぽど私からのチョコを期待してたのか、心からがっかりしたようだ。 顔だけじゃなくて、体全体から気が抜けたようになってる。青菜に塩とはこの状態を指すのね。 「ゆたかちゃんとか、バイト先からもらえるんじゃないの?」 「ゆーちゃんはみなみちゃんので手一杯だったし、バイトは受験で行ってないからもらえないよ…。」 「ご、ごめんね、こなちゃん。私も実は料理学校のことで忙しくて何もしてないんだ…。」 「私達だって貰ってないんだし、お互い様よ。今年ぐらい諦めたっていいじゃ…?。」 こなたが持っていたカバンから出してきたのは二つのチョコレート。 片方はハート型の箱でリボンに結ばれ、もう一つは袋に包んであって、同じようにリボンで結ばれてる。 「これ…かがみに。こっちはつかさに。」 「あんた、この時期に手作りしたの?」 「だ、だって、かがみと…付き合ってからの初めての…バレンタインだから…。」 こなたは俯きながら、恥ずかしそうに私達にそれを渡し、私とつかさはそれを受け取る。 照れて恥ずかしそうな、普段とあまりにも違う雰囲気のこなた。 何回か見たことのある状態だけど、それはいつも私がちょっとした意地悪をした時ばかりだ。 こなたは、相手からの反応があってからこそ、それを盾に相手を茶化すことが出来る。 自分だけが何かをした時は、それをおおっぴらにするのが恥ずかしいタイプなのだ(多分)。 もちろん、その都度、相手となる対象の輪を大きくしたり、小さくしたりしていて、 オタクという輪にしたり、家族内の輪にしたりしているため、普段は恥ずかしがらない。 でも、今回は私達3人の中で、極端に言えば私とこなただけでの輪だったのだろう。 ただ、私が作っていないだけであれば、恥ずかしがることなくがっかりしただけだった。 しかし、料理好きのつかさですら作ってないと聞いたら、自分だけという意識の上に、 私が作れなかったのも仕方が無いという考えから、恥ずかしいという感情が成り立つのだろう。 もちろん、これも作戦のうちである。ちょっと可哀相ではあるけど、いつものお返しだし、いいわよね? 「(お姉ちゃん、凄いね。本当に言った通りの反応だよ~。でも、可哀相かも…)」 「(そうね、これ以上はやりすぎになるわね。そろそろあれを出すか…)」 そうつかさに耳打ちして、私はベッドの下から『それ』を取り出す。 「ほら、こなた。私からのチョコ、しっかり受け取りなさい。」 「ふえっ?だ、だって、さっき…」 さっきの表情から一転、目を丸くして私のことを見てくる。 「う・そ・よ。ちゃんと作ったわよ、昨日の夜にね。」 「…っ!もう、かがみの意地悪!本当にもらえないかと思って、私すごくショックだったんだから!」 「ふふ、いつものお返しよ、たまにはいいでしょ?あんたに負けっぱなしじゃ、つまらないもんね♪」 「ぶーっ、私は弄るだけなのに、かがみはいつも意地悪だ!」 「し、仕方ないでしょ。人を弄ることにおいては、あんたに敵う人なんていないじゃないのよ。」 おもいっきり頬を膨らませて講義してくるこなたは、どうみても可愛らしい子供だ。 でも、そんなことを考えている暇も僅かしか与えられなかった。 「…まぁ、いっか。かがみの愛をちゃんともらえたし、満足、満足♪」 「それにお姉ちゃんが意地悪するのは、こなちゃんがお姉ちゃんを弄るのと同じで、愛情の裏返しだよ♪」 「つ、つかさっ!」 「そんなのは分かりきったことだよ、つかさ。ただこうしないと、かがみが不満だからさぁ。」 「あんたもさっきまで思いっきりしおれてたのに、何を言うか!」 「私はちゃんとかがみが作ってくれたって信じてたヨ?だから、いつくれるか待ってたのさ。」 絶対嘘に決まってる。チョコを出した時の顔の表情や、あの後の反応は絶対素のはずよ。 でも、そんなことを冷静に言える状態じゃなく、つい大声になってしまう。 「う、う、嘘だっ!だって、さっき思いっきり驚いてたじゃない!」 「確かに、こなちゃん凄いびっくりした顔だったよ?」 「いやぁ、私って演技派だよねぇ~。残念ながら、かがみがやることはお見通しだよ♪ …それにしても、会話に自然とアニメネタが入るあたり、かがみもずいぶんオタクっぽく…。」 「うぐぅ…」 「ほら、その台詞もね♪」 「今のは素だ!ってか、私はオタクじゃない!」 「じゃあ、あれだね、きっと。オタクの才能!」 「わぁ、お姉ちゃん才能あるんだって!良かったね♪」 「そんな才能嬉しくない!というか、私は認めないわよ!!」 (くっ、結局弄られるのは私だけじゃない!私が甘いのか、こなたが上手いのか…きっと両方ね。) ☆★☆ 「それじゃあ、そろそろチョコを開けましょー!」 「おぉーっ!(おー…)」 その後、二重の攻撃にあった私は、ほとんど何も言う元気もなかった。 そもそも、受験勉強の息抜きなのに、なんでこんなに疲れてるのかしら…。 「ほら、かがみが先に開けてよ。」 「う、うん。」 「あ、それじゃあ私は牛乳取って来るね~。」 つかさはそういって、そそくさと出て行ってしまった。 空気を読んだのか、それとも居辛かったのか。どっちでもいいけど、ありがたい。 改めて箱を手に取り、丁寧にリボンを緩ませ、箱を開けるとそこには「かがみは私の嫁!」と書いてある。 一体全体、こいつはどうしてこう恥ずかしいことを堂々と出来るのかが不思議だ。 こなたでも恥ずかしいと思うことはあっても、さっき言った理論のその範囲がやたら狭い気がする。 「あ、あんたねぇ…。」 「かがみは私の嫁じゃ不満?」 「そうじゃなくて、少しはムードとかさぁ…まぁ、あんたらしいっちゃ、あんたらしいけどね。」 「でも、かなり気合入れたから味は保証するヨ。あ、もちろん愛も入れたけどネ♪」 「恥ずかしい台詞禁止っ!…でも、忙しいのに作ってくれてありがと。」 「なになに、かがみのためならお安いご用だヨ!それじゃあ、私もかがみのを~。」 すぐさまこなたは私があげた箱を開け始めた。 一応、昨晩数時間かけて作ったものだし、それなりに自信はあるけど、ドキドキの瞬間だ。 「どれどれ~、かがみが作ってくれたチョコの出来栄えは、っと!おぉ、ちゃんと出来てる!」 「ちょ、なによそれ!褒められても、嬉しくないんだけど?」 「いやいや、美味しそうだよ、かがみん♪それにしても、〈I Love You Konata〉って、ベタだね~。」 「べ、ベタで悪かったわね!」 「でも、ちゃんとかがみの愛は受け取ったよ~♪額縁にでもいれよっかなー。」 「入れんな!ちゃんと食べなさいよ、人が苦労して作ったんだから。」 「冗談だよ、かがみ~。それじゃあ、一口もらうとしま…って、ん?何かまだ箱に入ってる。」 こなたの言うとおり、ハートの箱の底にはカードが一枚張り付いていた。って、え?!そ、それは…! 止める間もなくこなたはそれを手に取り、読み始める。 「ま、待ってこなた、それは!!」 途端にこなたの顔が真っ赤になり、釣られて私の顔も朱に染まる。 「〈こなたへ これから一生、私と一緒に居てください。これが私の気持ちです。 かがみより〉 …かがみ、これってプロポーズ…?」 「あ、いや、ち、違うの!それは、そ、その…」 このカードが何故ここにあったのかという焦りと、おまけにそれを読まれた恥ずかしさで私は気が気でない。 おまけにこなたは真剣な顔でこっちを見てくるし、私は半パニック状態に陥っている。 少しの間が空いて、不思議そうな顔になり始めたこなたを見て、何かを言わなければならないと思うも、 それでも私は混乱から抜けられず、紡ぎだせる言葉は本当のことしかなかった。 「き、気持ちが通じ合ってるならチョコだけじゃ足りないかと思って、カードを書こうと思ったのよ…。 何を書いたらいいのか分からなくて、つかさに素直な気持ちでって言われたんだけど、書いてみたの…。 でも、は、恥ずかしくて渡せたもんじゃないから、捨てたはずだったのに…何故かそこに入ったの!!」 半分やけになりながら一気にまくし立てて、私はすぐに俯いてしまった。 本当のことだし、今更なことだけど、これはそのまま読んだら本当にプロポーズだ。 でも、私の複雑な気持ちは全てこなたによって消えうせた。 「ぷふっ、相変わらずかがみって素直じゃないね~。」 「だ、だからそれが素直な気持ちよ!」 「違うよかがみん。私が言ってるのは、そこまで書いてるのに素直に渡そうとしなかってことだよ~。 それに、こんな分かりきってることを書かなくても、私は前からそのつもりだったんだけど?」 その言葉に、私の全ての脳細胞が感極まったけど、それと同時にオーバーヒートしそうだった。 (えぇ?!これはどういう展開?プロポーズとして受けられたことを、Okされたってこと?! 別にプロポーズのつもりなかったんだけど…。い、いや、私も前からずっとそのつもりだったけど、 でも、そうじゃなかったというか、まだそこまで考えてなかったけど…えーと、でもOKされた=結婚? って、何考えてんだ私!いや、ゆくゆくはそうありたいけど、ってかこの展開はそういうことよね?) などと、私は暴走と妄想、どちらとも取れることをしていた。 「おーい、かがみんやー、戻ってこーい。」 「…はっ!こ、こなた、何か言った?」 「いんや、まだ何も。でも、そんなに顔を真っ赤にして何を考えてたのかなぁ?」 ここぞとばかしに、ニヤニヤした顔でこなたが擦り寄ってくる。 猫口+ニヤニヤ顔というのは一見ムカつくように思えるが、こいつの場合は反則的に可愛い。 これが見れるから、私はこなたに弄られるこの立場が好k、コホン、嫌じゃないのよ。 「な、なんでもないわよ。…ただ、ちょっと嬉しかっただけよ。」 「おぉ、さっすがかがみん!ツンデレの本領発揮だネ!」 「だから、私はツンデレじゃない!」 「普段は素直じゃないのに、私と二人きりの時はデレてくるんだから、まさしくツンデレだよ~♪」 「素直じゃないのは認めるけど、デレてくるってなんだ!それに、二人きりの時に限らないでしょうが。」 「いやいや、今日だってつかさがいなくなってからじゃないと、素直さのカケラも無かったよ。」 「そ、そんなことなかったわy…」 「はい、かがみ、あ~ん。」 「?!な、何よ突然!」 何の脈絡もなく、いきなりこなたが自分で作ったチョコを一口サイズに割って、私の口元に運んできた。 …というか、いつの間に私の手から取ったかしら…さっきまで握ってたのに。 「ほら、やってよかがみぃ。それとも口移しがいい?」 「ば、馬鹿言ってんじゃないわよ!」 「んじゃ、はい。あ~ん♪」 「…あ、あ~ん。」 口に入れた瞬間、チョコレートの風味が一杯に広がる。 でも甘すぎず、ほど良い苦味を持った本格チョコの味で、チョコが溶けるのと同時に口もとろけそうだ。 私が今まで食べた中で一番美味しいものだった。もちろんこなたの気持ちが入っているからこそだ。 私の中では世界一、宇宙一のものだけど、味だけで純粋に見ても、市販のとは比べ物にならない。 「私の自信作なんだけど…どうかな?」 「正直、言葉で言い表せないぐらい美味しいわ。ただ甘いだけじゃないし、凄い深い味かも…。 チョコレートでこんなの初めてよ!」 「良かったぁ、愛を込めた甲斐があったヨ!…それに、やっぱりかがみはツンデレだと確認できたし♪」 「ど、どういうことよ?」 「だって、ちゃんとあ~んってしてくれたし。つかさがいたら絶対やってないでしょ?公の前じゃなおさら。」 「うっ…そ、それは…。だぁ、もう!素直に褒めたんだから、あんたも純粋に喜びなさいよ!」 (ったく、こいつは常に私を弄ることしか考えてないんじゃないかしら…不満じゃないけどね。) 「いやぁ、気に入ってもらえて心から嬉しいよ。糖分控え目、味も色々調整したオリジナルだからネ。」 「ちょっと引っかかるわね…でも、ありがとう、こなた。」 「愛しい嫁のためだもん、当たり前だよ。それじゃ、今度はかがみ・を食べる番だね♪」 「わ、私?!」 思わずビクッと擬音が似合うような反応をしてしまい、こなたも何事かとこちらを見てる。 (ええぇ!?!?さ、さっきのOKしたから?!で、でも、いくらなんでも展開が速すぎよ! バレンタイン効果?知らないわよそんなの!い、嫌じゃないけど…心の準備とか…色々時間がまだ…!) 「かがみどうしたの?この流れからしたらフツーじゃん。そんなに驚かなくてもいいんじゃない?」 「ふ、普通?!あ、いや、ま、まだ心の準備が!!つ、つかさだって戻ってくるかもしれないし!!」 「別に戻ってきたって問題ないじゃん?それとも他の人がいるとやっぱり素直になれないとか? かがみんもついにツンデレを自覚し始めたのかな、かな?」 「いや、問題大有りでしょ!そ、そんなのつかさに見られたら…」 「…?かがみ、なにか勘違いしてない?チョコを食べようって話をしてるんだヨ?」 「えっ?!あ、ああ、そうよね、なんでもないわ。」 (もしかして、さっきのは聞き間違い?そうだとしら恥ずかしすぎる…こなたの顔がまともに見れないわ…) 「でも、勘違いするような話をしたっけな??確かあの時は…愛しい嫁の…ブツブツ。」 真剣な顔でさっきのフレーズを思い出しているらしい。そ、そんなに真剣にならなくていいから! むしろ思い出さないで居てくれた方が、私のためだから!私のためを思って、ね? 「い、いいじゃないのよ、その話はもう。私のチョコを食べる番なんでしょ?」 「…!ああ、そうかぁ~」 再度ニヤニヤ顔になったこなた。あぁ、嫌な予感がするというか、もはや確信かしら。 私の必死かつ切実な願いは通じず、このあとの言葉により無残に散ることとなった。 「な、何よ。」 「さっき私が〈かがみのを食べる番〉ってやつを聞き間違えて、私がかがみを食べると思ったんでしょ? もう、かがみはエッチなんだから~♪」 「うっ…ち、ちがっ」 「何がどう違うのかなあ?ねぇ?」 「うぅ、うるさい。と、溶けないうちにチョコ食べなさいよ!せっかく作ったんだから。」 「…それも、そだね。んじゃ、かがみよろしく~」 今度は冷静に考えて、どうすればいいかを判断する。これ以上弄られるネタを提供したら、私が持たない。 受験後ならいいかなぁ?なんて悠長に考えている自分も中にはいたが、それはまたいつか脳内会議しよう。 「は、はい、あ~ん…」 「あ~ん♪…パクッ」 「っ?!?!」 「かがみもちょっとだけ食べちゃった♪あはっ」 私が差し出した指を軽く咥えられただけなのだけど、それがいかほどの破壊力を誇るものか分かるでしょ? (お、お、おおおおお落ち着け、私!ゆ、指を咥えられただけよ!そう、咥えられた…だ…ふおおお!!) 「顔の沸騰具合、過去最大だね~。初々しくて、可愛いなぁ、もう♪」 「…っ!ち、ち、ちち、チョコの味はどうだったのよ!」 「もちろん、最高においしかったよ♪随分腕を上げたんじゃないかな?」 「ほ、本当?」 「クリスマスのやつよりは美味しくなってるよ。ほら…」 私の口に入れてくれるもんだと思って待っていたら、自分の口に入れ…!! 「ん~っ!!(く、口移し?!?!)」 「ありがと、かがみ。来年も期待してるヨ。ご馳走様でした…かがみも美味しかったよ♪」 ボンッ!!…プシュー………。柊かがみ、オーバーヒートにより離脱。 「あちゃー、ちょっとかがみにはまだこのシチュは刺激が強かったかな?」 ドタドタドタ、ガチャッ! 「ごめーん、牛乳なくってコンビニまで買いに行ってたら遅くなっちゃったよ~…お姉ちゃんどうしたの?」 「いやぁ、ちょっと弄りすぎちゃったかなぁ?あははっ。」 「顔真っ赤だよ?熱とかじゃなくって?」 「さすがつかさ、そっちの発想か。いや、そうじゃなくってね、実は…」 「言うなーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」 私の声が家中にこだました。 ☆★☆ つかさが戻り、私が復活したところでつかさにもチョコを渡し、つかさも私に用意してくれていた。 といってもつかさは、調理師免許用の専門学校にすでに合格しているから、暇なんだけどね。 こなたとつかさもお互いにチョコレートの交換を終えて、皆で遅めのおやつとなった。 つかさのチョコは相変わらず手が込んでいて、私にもこなたにも大きなハートのものだった。 前にこなたが、義理でも渡したら本命と勘違いされると言っていたけど、それを再認識するわね。 「ふぅ、美味しかった。さすがつかさ、中々やるね。」 「そりゃ、専門学校に通うことになったんだから、当たり前でしょ。腕前は文句なしよ。」 「て、照れるよ、お姉ちゃん…」 「まぁ、普通の受験だったらつかさには辛かったかもネ。」 「な、なに~!」 「否定は出来ないけど、それはちょっと酷いかも…」 「お、お姉ちゃんまで…」 ごめん、つかさ。私でもそれはフォローしづらいわ。こなたも人のことは言えない立場だけどね。って… 「そういえば、あんたはどこ受けるのよ?まさか大学には行かないとか言い出さないでしょうね?」 「うん、行かないよ。」 「ちょ、おまっ!大学行かないでどうするつもりよ!」 思わぬ告白につい大声になってしまう。 大学に行かないって、こいつ本当に自宅警備員、またの名をニートになるつもりなんだろうか? そう思って、真意を問いただそうと意気込んだところで、 「いやだなぁ、冗談だよ冗談。」 「じ、冗談かぁ、そうだよね~。びっくりしたよ、こなちゃん。」 「はぁ…ビックリさせんじゃないわよ。どうするか真剣に考えちゃったじゃない。」 「なにを言っても私の心配をしてくれるかがみ萌え~♪」 「し、心配ぐらいしたっていいじゃない!それで、結局どこに行くつもりなのよ?」 「う~ん…ひ・み・つ♪ってことで。」 「ぶっ」 こなたの似合わない台詞に思わず吹き出してしまったが、これはこれでこなたらしくないけど、可愛らしい。 でも、今はそこに気を取られてはいけない。私が言えたことじゃないけど。 「秘密って、どういうことよ?隠し事は…」 「大丈夫、ちゃんと教えるからさ。ただ、今はってことだよヨ。3月になったら教えるから。」 「まぁ、合格したらの話になるんでしょうね。」 「む~、ちゃんと合格するもん。おとーさんとまた賭けもしてるしね。」 この陵桜にも合格したのも、父親との賭け事に勝つためという不順極まりない理由だったからね。 でも、そのおかげで私はこなたに出会えたんだから、どうあれ感謝しないといけないけど。 「こなちゃん、今度はなにを賭けたの?WiiやPS3とか?」 「いや、Wiiはもう既に購入済みだよつかさ。PS3もバイトでどうにかなるしね。」 「じゃあ、新しいパソコンとか?」 「そんなのよりよっぽど私にとって大きなものなのだよ♪まぁ、それもその時教えるよ。」 こなたの趣味に合いそうで、高額なものか何か珍しいものと言われても今の以外あまり思いつかない。 何か限定者のフィギュアとかだろうか?でも、あの言い方だと物じゃないのかな?う~ん…まぁ、いいか。 「…ふ~ん。でも、その代わり3月に入ったら絶対教えないさいよ?」 「合格発表が終わった時にでも教える、それは約束するよ、かがみん。もちろんつかさにも言うよ。」 「わ~、楽しみだね、お姉ちゃん!」 果たしてそれは楽しいことなのかは分からないが、気になるというのは認めよう。 それより、何故行きたい大学を隠す必要があるのかに対して疑問が残るわけだ。 あまりにも低レベルだから?でも、あいつならそんなことは気にしないはずだと思う。 逆に実は相当難しいところで、逆に恥ずかしいとか?…なくはないけど、隠すことはないわね。 ここから遠くて、私にそうそう会えなくなる?それはあるかもしれないけど…あまり考えたくない。 一番ありそうなのが最悪のパターンってのが気になって、私は一応聞いてみた。 「こなた、一つだけ答えて。」 「ん、怖い顔してどったの?」 「その希望してる大学って、私が…いつでも会える場所にあるの?他の地方とかじゃないわよね?」 「むふっ、かがみはその心配してたのか~。それならご安心あれ、かがみと近くに居る事が最優先だからネ♪」 「じゃ、じゃあ!」 「かがみの家、というかここと、かがみの志望大学の近くどっちかだヨ。」 「良かった、ひとまず安心だわ。」 最悪のパターンでない上に、こなたがそこまで気を使ってくれたのが何より嬉しかった。 でも、気になる点はもう一つある、というより、いま浮かんだ。 「…ここまで素直なかがみんって、何か違和感あるなぁ。口調だけは相変わらずツンデレだけど。」 「ちょ、それどういう意味よ!…まぁ、それは置いておいて、近くの大学を優先してくれたのはいいんだけど、その条件に縛られて自分のやりたいことは制限してないわよね?こなたを縛ってるようなら、嫌だから…。」 「大丈夫だよ、かがみん。ちゃんと自分のやりたいことはやるようにしてるからさ。」 「そう?ほんとに?…ならいいんだけどね。」 「もう、そんなに心配しなくていいって。気軽に生きようよ、かがみん♪」 「あんたが軽すぎるから心配になるんでしょ?!二人して突っ走ったら誰が止めるのよ?」 「まぁ、それもそうだね~。でも、二人で突っ走る愛の道は誰にも止められないよ、ね?かがみん♪」 〈ね?〉のあたりで私の首に腕をまわして抱きついてきた。 「ちょ、ちょっと。恥ずかしい台詞禁止って言ったでしょ、もう…。」 1ヶ月強の時間が経っても、不意に抱きつかれるのには未だに恥ずかしい。 こなたに、キスするのには慣れたんじゃないかと言われたけど、内心はもちろん活火山状態だ。 正月も徹夜で若干ハイになってたから、こなたの寝起きにキスなんてしてたけど、今思い出しても… 「…どんだけ~」 (そうそう、どんだけ~…って!) 「こ、こなた!つかさが見てるから、離れなさいって!」 「周りの視線は気にしないって言ったじゃーん、かがみぃ。」 「屁理屈はいいから、離れろぉ!!」 半ば強引に引き離されたこなたはもちろん、空気化しかけていたつかさもどこか不満そうだ。 その後、こなたの機嫌をとりつつ、つかさにも話題を振りながら過ごすという何とも疲れる時間になった。 少なくても、私にとっては…やれやれ。 ☆★☆ その後も、臭いものや机に書いてある落書きのユニークさ、物価高騰によるお菓子の値段上昇などについて話した。こなたがネタに走り、つかさがボケて、私が突っ込むか弄られるいつもの雰囲気だった。 4人で過ごしてきた高校3年間、こういう空気の中でずっと過ごしてきたからか、どこよりも心地よい。 弄られたり、気苦労があったりしても、息抜きとして最高のものとなった。みゆきがいないのが残念だけどね。 「つかさー、ちょっと来て手伝ってー!」 下から突然いのり姉さんの声がする。時間を見ると6時前、おそらく夕飯の手伝いで呼んだのだろう。 …悔しいけど、料理の手伝いで私が呼ばれたことは中学に入ってから一度もない。せいぜい皿洗いだ。 「すぐ行くから、ちょっと待ってー!…ごめん、ちょっと行ってくるね。」 「いってら~(いってらっしゃい)」 つかさはすぐに立ち上がって降りていった。 「もうこんな時間かぁ、私もそろそろ帰らないとね。」 「そうね、おじさんも心配するだろうし。」 「かがみも、そろそろ『おじさん』じゃなくて、『おとーさん』って呼んでみたら?絶対喜ぶと思うよ♪」 「な、なななに馬鹿なこと言ってんのよ!出来るわけないでしょ、そんなこと!」 「うぶで余計な事ばかり考えては、顔を赤くするかがみ萌え~」 「うぅ、うるさい!」 「その反応!最高だよ~、やっぱ可愛いねぇ~♪」 さっき突き放したのを根に持ってるのか、執拗に弄り続けてくるこなたと反撃が出来ない私。 擦り寄ったり、上目遣いで見上げてきたり、後ろから抱き付いてきたり、やられ放題だ。 私も少なからず抵抗してみるも、こなたには逆効果なのか、私が恥ずかしいだけで終わる。 この小動物みたいなこなたの連続攻撃に私の『理性』という精神はボロボロになりつつある。 ひたすら顔を赤くしてる私にこなたの行動はエスカレートし、ついには… 「ひゃうっ!…こ、こなたぁ!!」 「おぉ、予想以上の反応だね。」 「いい、いきなり、うなじを舐めないでよ!」 「じゃあ、いきなりじゃなきゃいいの?」 「そ、そういう意味じゃないわよ。私にも理性ってのがあるんだから…その…ほどほどにしなさいよね…。」 「かがみん、それって…「みんみんみらくる、みーくるんるん~」」 突如、恐ろしく音程を外した声と共に、音楽が流れ始めた。これは確か…こなたの携帯だ。 「ごめん、かがみちょっと待っててね。 〈もしもし、なーにおとーさん?…うん、まだかがみんちだよ。…えっ?ああ、そうだごめん! 今からすぐ帰るから、下準備だけ済ませてて!…分かったよ、だから悪かったって。…うん、じゃあ。〉ピッ かがみ、ごめん!今日夕飯の当番だったのすっかり忘れてたよ!!今から帰って作らないと…。」 「いいのよ、そんなの。また受験後にいつでも来てよ。今度はそっちにいくかもしれないし、遊びに行ってもいいしね。二人切りもいいけど、みゆきとつかさを呼んでもいいしね。もちろんゆたかちゃんとかも。」 「そだネ、何か考えておいてよ。私も私なりに考えておくからさ。んじゃ!」 「あ、待ってよ。玄関までは送るから。」 「夫を送るのが嫁の仕事だしね~♪」 「それは朝の話でしょ?夜の場合は、嫁を見送る夫でしょ。ほらいったいった。」 「えぇ、それこそ屁理t…って、うわ押さないでよ、危ないって!」 こなたの反論を無視し、玄関にたどり着く。 「それじゃあ、気をつけて帰りなさいよ。夜道は危ないんだし。」 「格闘技やってたから平気だよ~。万が一があっても、かがみが助けてくれるだろうしネ。」 「…万が一、何かあったらな。」 「んじゃ、またね~、かがみん。今度は〈かがみを〉食べに来るから、覚悟しといてよ♪」 満面の笑みを浮かべて最後に言った一言は、本気なのか冗談なのか、期待と不安を抱きつつ、 私はつかさに揺すられて正気に戻るまで、呆然と玄関前で立ち尽くしていた。 - Fin - コメントフォーム 名前 コメント GJ!!!!! -- 名無しさん (2022-12-28 21 06 02)
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メニュー>称号>バンガード>メルトダウン(バンガード) ☆4 ウォーロードが持ってても扱いづらかったが、エクスプローラーなら話は別だ。効率的に封鎖できる。 その他自己ヘイストするパラディンなどの取得が考えられるかもしれない。 ネフィリムには及ばないが、あれは別格。 -- 名無しさん (2014-06-16 00 41 16) 名前 コメント
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【検索用 ちょこれーとめるとたうん 登録タグ 2019年 VOCALOID utako ち ジグ 初音ミク 曲 曲た 蓉心】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ジグ 作曲:ジグ 編曲:ジグ イラスト:蓉心 マスタリング:utako 唄:初音ミク 曲紹介 「しあわせでとけるくらいに。」 曲名:『チョコレートメルトダウン』 ジグ氏の4thアルバム『CHOCOLATE MELTDOWN』収録曲。 歌詞 (PIAPROより転載) バイバイなんて言わないよ ずっとこのしあわせに浸っていたい だから バイバイなんて言わないで こんな私だってしあわせだよ? ねえ 未来の話をしていた ずっと続くと思って 二人の愛の果て そこにはきっと あなたはいないわ それでもなんて願ってしまうのは あなたの代わりが見当たらないから ただ優しいだけの優しさは息が詰まるから 寂しいとか言い飽きたけど 泣きそうでも泣けないけれど 消えたいと思わなくなったよ 全部嘘だよ バイバイなんて言わないよ ずっとこのしあわせに浸っていたい だから バイバイなんて言わないで こんな毎日がしあわせなの バイバイなんて言わないで 私たちはどうにか上手くやれる だから バイバイなんて言わないで どんなあなただってしあわせだよ? ねえ 昔の話をしていた ずっと二人のものだ いつかは忘れるのならば どうか いま消し去って わがままばっかでごめんね だけど それほどあなたを愛してるんだよ もう知らないことがないくらい全部わかるのに 一番嫌いなのはきっと 私を拒むその心だ 本心しか言えない理由も 全部あなただ バイバイなんて言わないよ いまは永遠を信じさせて だから バイバイなんて言わないで あなたとの日々だけしかないの バイバイなんて言わないで だめなところは全部直すよ だから バイバイなんて言わないで どんな私ならしあわせなの? ねえ 君に恋をしたあの夜に馳せて 出会えなければよかったのに だけど バイバイなんて言わないよ ずっとこのしあわせに浸っていたい だから バイバイなんて言わないで ずっと ずっと ずっと ずっと ずっと ばいばいなんていわないで しあわせでとけるくらいにそばにいて ばいばいなんてさみしいよ あなたがいるなら しあわせだよわたし コメント 死ぬほど泣ける -- AI (2020-06-11 13 47 59) 有名になってほしい -- 941 (2023-12-16 13 20 45) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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『これ』は、なに? 分からない。考えが、まとまらない。 ええと、えっと……なんとか遡れた部分を、頭の中で築き直す。 ……誰かが、笑っていた。小さな、小さな。 可愛らしい笑顔が、些細な仕草が愛おしい。 そう、真里亞だ。私の、たった一人の娘。 でも、これは、この紅いのは、何? どうして?どうして? ――ああ、そっか。あかいのは。 「どうだって良いだろ?そんなのさ」 赤が、私を包み込む。 そうだ……思い返したって、何の意味もない。 「ママ。真里亞がママを気持ち良くさせてあげるからね」 「あ……」 小さな娘が、従兄弟の青年と笑っている。 「戦人ぁ。ママのおっぱいは真里亞のだからね?きひひっ」 「へっ。りょーかーい」 娘に笑みを返しながら、青年が、こちらを向く。 身体が、だるい。下半身に鈍い熱が入り込んでいる。 「は……っ、ぁ、うっ、ああ、っく……」 涎と一緒に零れる、意味のない言葉。 「ぬぷっ……ちゅ、はぁっ。ママぁ、気持ち良いー?」 胸元から身体を起こす、娘。その唇は、唾液でてらてらと光っていた。 「は、や、だめぇ……や、真里亞ぁ……も、やめてぇ……」 「むー。まだ足りないー?」 母の言葉が気に入らなかったのか、真里亞は再び楼座の乳房に吸い付いた。 「んむ、くっ、じゅる……じゅうっ」 小さな手が、唇が、楼座の胸を蹂躙する。 子どもらしい、遠慮のない動きと、娘に愛撫されているという事実に、彼女は翻弄されていた。 「ひ、やだぁ……あ、あっ」 「いっひっひっひ。真里亞、ちょい離れてな」 響く声は、戦人のもの。 楽しげに笑う青年は、ずっと上から楼座を犯していた。 「うー?分かった」 「ば、とらく……ま、まりあに、何……ひぁんっ!」 しばらく動きのなかったせいか、ほんの少し身体をずらしただけで、楼座が反応してしまう。 「へへ。ちょーっとね」 「んん、やぁ!も、やめてぇ……真里亞に、こんなとこ、見せちゃやだぁっ」 言葉はやっぱり届かない。 ずぷり、と一旦戦人との繋がりが絶たれる。 「このままだとやり難いっすからね。上、乗って下さい」 「っひ……え、あ。な、何……?」 「だから、俺の上に四つん這い。早くしてくれます?」 体勢を変えろと言ってくる戦人。 もう終わらせて欲しかったが、それが出来ないのは楼座自身が一番よく分かっていた。 もっと抉られたい、と感じて濡れているのだから。 ふらつく身体を起こし、戦人の上に跨る。 その一部始終を、娘に見られている。そう思うと、身体が羞恥で熱くなる。 すぐに腰を掴まれ、考えることもままならなくなったが。 「ああっ……あ、く……ふっ」 「戦人!真里亞はー?うーうー!!」 「んっ……おう、わーってるって」 ぼそぼそと小さな声で、真里亞に指示を飛ばす。 彼女はこくこくと頷いて、指定ポイントへ回り込んだ。 「ま、りあッ!?やだ、そんなとこっ見ちゃだめぇ!」 真里亞が見つめる先には、楼座の尻が突き出されていた。 「ひっ?ひ、あ、うぁあっ!?」 「あれだ、社会見学みたいなもんすよ」 「あ、や……だめぇ……だめ、あ、はぁっ」 「見られてる方が、楼座さん興奮するでしょ」 「や、そんな……ああんっ」 「嘘は良くねえなァ。あんた、娘が寝てる横で盛ってんでしょ?」 「ち、が……ひう!」 「なぁ、真里亞?」 「んう?うー。ママね、夜はいっつも知らない人とベッドで遊んでるの」 小首をかしげ、思い出しながら真里亞は話す。 「や、まり」 「そんで、どんなことしてんだ」 「えっとね……あ、オットセイいっぱい食べてた!」 「ああ?オットセイ?……ひょっとして、これのことか?」 それは、楼座の内を抉る男の肉棒。 「うー!それ!真里亞にはないー!」 「ち、ううっ……やだぁ……」 「ふーん。一杯、ってのは?」 「んっと、たまに知らない人がたくさん来る時ある!ママ、いつもより嬉しそうだった!」 手を振り回し、たくさんだとアピールする真里亞。母の痴態を触れ回っていると理解するには、彼女はあまりに幼い。 「っや、まりあぁあ……」 「うっわ、どんだけ手玉にとってんだよ……ホンットお盛んだねぇ」 「ちが、う、っ、あ、ち、っく、あぁっ……」 「ま、後で俺のも食べさせてやりますから。物足りないかもしれねぇけど」 「ひぐ……っ、う、ぐうぁああっ……」 「真里亞、そっちどーだ?」 「ん?ママ、びしょびしょー。大人なのにおねしょしちゃ、めーだよ」 接合部に顔を寄せる。二人の身体が動くたびに飛ぶ粘液が、真里亞にも散っていく。 真里亞は意を解さず、小さな舌で母の蜜を舐め取った。 「ぴちゃ……ぴちゃ、ちゅ、んく……」 まるで、猫のよう。音を立てて母親の下半身に喰い付いた。 「ッや……、あ、やめてっ、や、ひああっ!真里亞ぁあっ!!」 「うー!どんどん出て来るー!うー!」 楽しさを滲ませた少女の歓声が響く。 「おー。こっちが片付いたら手伝ってやるよ」 「っぐ、あ……あ、ひぐっ、っひ、くああっ!!」 「娘に下の世話させて、興奮してちゃ世話ねぇの」 「ひあ!あ、っふあああんっ!」 「聞こえてないか。ま、いいけど」 より強く、自身を打ち付ける。 「へっ。残念だったな。真里亞が男だったら、二人掛かりで気持ち良くしてやれたのに」 「っふぁ……ああんっ!」 腰を引き寄せて、抉って。その度に、楼座は啼いた。 「ほら、こーんなにガッバガバ。やらしい人だよなァ」 「うー?ママ、やらしー?」 「ううっ……ああ、わたし、そ、いやらしい……っ、ああっ!」 理性が、溶けてしまう。 ――でも、構いはしないじゃないか。 だって、ここには。私の望む全てがあるんだから。 「あ、がッ……ま、真里亞あぁ!!あ、っひあ、あいしてる、ああっ!」 「……ああ、そうだろうな」 「うーっ!うー、真里亞も!!ママ大好き!」 良かった。これで、全部大丈夫。 真里亞の柔らかな頬を撫でながら、ようやく楼座は意識を手放した。 長い夜が、終わりを告げようとしていた。 ……うみねこのなく頃に、現れたのは小さな黄金郷。 そこには、何もない。 ただ、欲に塗れた愚か者どもが夢みた、カケラ屑が歪に重なり合うばかり。 本当に。ニンゲンとは実に興味深い。 くっくっく……クク、ハハハ。良かったなァ。 少なくとも、生きてるもんなぁ。いや、いやいや実に結構。 嬉しかろう?ずっと肉に溺れていられるしなァア? さぁさ、もっと楽しませておくれ。この矮小な黄金郷を! でないとなァ。この手をうっかり握り締めてしまいそうなんだよ。 そうしたらもう、楽しい時間はお終いだ。 せっかくせっかく邪魔な駒を。 頑張って、ひとりで!全部、すっかり。綺麗に掃除したんだからな。 これくらいのお楽しみは必要だろぉ? だから、妾の可愛い家具を貸してやったのだぞ。 精々楽しめ。妾の愛おしい玩具たちよ。 っくくくく、あっはっはっはっは!! 金色の嘲笑は、一際大きく世界を震わせたけれど。 誰も気付かない。……というより、気付かせないんでしょうね。 意地っ張り。 だから「みえない」。とどかない。退屈に魔女は殺される。 ――ああ。その点から言えば、あなたは勝者なのかもね。 まあ、どっちにしろ。ホント、誰も彼もバカばっかりだわ。 - 名前 コメント すべてのコメントを見る
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カードデータ カード名 「地獄極楽メルトダウン」 効果:○[相手の墓地にあるカードをX枚選び、除外する]○あなたはバトルスペースにある全てのユニットにX*2000のダメージを与える。それらのユニットがターン終了時までに墓地に置かれるに際し、代わりに除外する。 属性 スペルカード 種別 ストラテジー タイミング ノーマル 使用コスト 赤3無X 場全体にバーンダメージを与えるストラテジー。 全てのユニットに影響を及ぼすため自分のユニットまで巻き添えにしてしまうものの、複数のユニットをほぼ確実に対処できるのは非常に大きい。Xの値次第では、自分のユニットが焼かずに相手のみに被害を与えることも可能。 また相手の墓地をX枚追放できるのも大きな利点となる。墓地にいることで効果を発揮する《黒猫》《藤原 妹紅》などを積極的に除外することができるし、《迷いの竹林》を使用される前に墓地をきれいにしておくのもありだろう。 またダメージを与えられたユニットはそのターン中に墓地に送られる場合に除外されるので、その後の戦闘などの処理にも注意しよう。 しかしノーマルタイミングでしか使用することができないので、使うタイミングにはかなり注意しなければならない。 ゲーム外カードデータ 収録セット 東方零次元 ~風神録&地霊殿~ No. 135 フレーバーテキスト メルトダウンって何だろうな。もの凄く熱いのかな。その名の通りとろける位甘いのかな? Illustration 姫川たけお? 名前 コメント
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[上級クラス/ウォーロード] 名前 コメント
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[MA,Ht,1,Wp,7,1/WpAk;RA’R-2d,Dm 放心] ☆☆ リアクション制限は結構だが1回攻撃になるのはいただけない。敵が格上の反撃系なら役に立つが、それ以外なら出番はない。万一に備える類のスキルであり、取得の優先度はかなり低くなるはずだ。 放心効果は忘れてもいいんじゃないかな。ウォーロードの場合はダメージで倒してしまった方が早いはずだ。 -- 灯 (2009-11-05 17 55 53) 名前 コメント
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(炉心溶解) 原子力発電所などで、原子炉が耐熱限界を上回る高熱により、融解、破損すること。
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メルトダウンまとめサイト 2ch臨時地震板 メルトダウンスレのまとめサイト (ご意見ご要望は一番下のコメントへ) 東電ロードマップ (4/17) http //www.tepco.co.jp/cc/press/11041702-j.html 原発反対デモ スレ一覧 スレについて #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (around) 東電ロードマップ (4/17) ■福島第一原発の現状■ 発電所の現状 震災当日の原発事故の流れ 原子炉の冷温停止までの流れ福島第一原発 時系列まとめ 現状のまとめ ロードマップ ふくいちライブカメラ画像 推移 福島原発に関する報道規制及び言論統制状態まとめ SPEEDIデータ公開までの流れのまとめ 地震予知情報 汚染状況全国の放射能濃度一覧 放射線測定量グラフ 食品の放射能暫定規制値 水道水WHO飲料水水質ガイドライン 1リットルあたりのベクレル数(Bq/kg) 負傷者等 海外政府の情報 原子力とマスコミの癒着 コメント ■福島第一原発の現状■ 福島原発原子炉の状態 原子炉の温度 http //atmc.jp/plant/temperature/ 放射能漏れを防ぐ5つの壁 2011/04/07(木) 20 06 絶対に漏れないから大丈夫 → ベント (2011/03/29(火) 00 55) ■原子力発電所断面図■ 改定:2011年. 4月. 3日(日) Ver.04 ■放射線被曝が人体に与える影響■ 改定:2011年. 4月. 7日(水) Ver.10 ■今考えられる最良の結末■ ■すぐに、石棺作るのが無理な理由■ ■福島第一原発フローシート■ http //cnic.jp/files/earthquake20110311/BWR_flowchart.gif ■統合任務部隊■ (2011/03/29(火) 00 55) 東電・福島第1、第2原発を巡る主な動き 2011/3/16 2 48時点 発電所の現状 各原子力発電所の状態のまとめ ( ・ω・ )まとめのまとめwiki http //www47.atwiki.jp/matowiki/pages/28.html ★ 震災当日の原発事故の流れ (04/09 08 11 産経) 原子炉の冷温停止までの流れ 3月26日 11時9分 福島第一原発 時系列まとめ 2011/03/27(日) 14 56 05 www.dotup.org1465214.xls 東電のプレス用pdfから作った原発時系列 2011/03/29(火) 21 42 www.dotup.org1473020.xls 現状のまとめ 2011/04/08(金) 00 58 ロードマップ 2011/03/29(火) 18 11 ■ 原子炉の冷温停止までの流れ ■.電源 配線 通電 照明 浸水 制御 冷却 修復 水環 海水 冷温 冷却 石棺.回復 点検 復旧 除去 計測 点検 交換 再稼 熱交 停止 終了 作成 15年 16年 ┝━━┿━━┿━━┿━━┿━━┿━━┿━━┿━━┿━━┿━━┿━━┿━━┥ ∩___∩ /) | ノ ヽ ( i ))) / ● ● | / / | ( _●_) |ノ / ← いまココ 彡、 |∪| ,/ ふくいちライブカメラ画像 推移 ふくいちライブカメラ画像 http //www.tepco.co.jp/nu/f1-np/camera/index-j.html 最新 フレームあり フレームなし バックアップ フレームあり フレームなし その他の過去画像 福島原発に関する報道規制及び言論統制状態まとめ SPEEDIデータ公開までの流れのまとめ 2011/04/04(月) 15 22 地震予知情報 汚染状況 ★東北関東大震災 原発震災 緊急まとめページ★ http //first.freespace.jp/fukusuma/ 全国の放射能濃度一覧 雨 http //atmc.jp/ame/ 水道水 http //atmc.jp/water/ 放射能 http //atmc.jp/ 武田邦彦 (中部大学) http //takedanet.com/ 原発の危険数値や情報など書いてある。 福島原発付近の放射濃度一覧 http //atmc.jp/fukushima/ 茨城県付近の放射濃度一覧 http //atmc.jp/ibaraki/ 福島原発原子炉の状態 原子炉ごとの復旧状況図 http //atmc.jp/plant/detail/ 放射線測定量グラフ 茨城 5地点、群馬 前橋、東京 新宿 [グラフ] http //twitpic.com/4ckgwp 東京日野市 http //park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html 関東各地の放射線の可視化 http //microsievert.net/ 食品の放射能暫定規制値 水道水 全国の水道の放射能濃度一覧 http //atmc.jp/water/ WHO飲料水水質ガイドライン 総アルファ線量 0.1(Bq/L) 総ベータ線量 1(Bq/L) 東京の放射線ヨウ素濃度 210(Bq/L) http //www.mhlw.go.jp/shingi/2002/11/s1108-5g.html 世界の基準値 WHO基準 1ベクレル(Bq/L) ドイツガス水道協会 0.5ベクレル(Bq/L) アメリカの法令基準 0.111ベクレル(Bq/L) 現在の日本の暫定基準値 ヨウ素131 300ベクレル(Bq/L) セシウム137 200ベクレル(Bq/L) ニュースの飯舘村の値の例 965ベクレル(Bq/kg) http //headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110321-00000502-san-soci 1リットルあたりのベクレル数(Bq/kg) 2011/04/02(土) 11 50 負傷者等 2011/03/26(土) 13 04 海外政府の情報 2011/03/26(土) 13 02 フランスIRSNの事故報告(日本語) http //www.irsn.fr/EN/news/Documents/IRSN_fukushima-radioactivity-released-assessment-JP.pdf ドイツ気象庁の拡散予報(日本向け) http //www.dwd.de/bvbw/generator/DWDWWW/Content/Oeffentlichkeit/KU/KUPK/Homepage/Aktuelles/Sonderbericht__Bild5,templateId=poster,property=poster.png ノルウェー大気研究所 の拡散予報(日本・アジア向け) http //transport.nilu.no/products/browser/fpv_fuku?fpp=conccol_I-131_;region=Japan オーストリア欧州気象地球力学中央研究所の拡散予報(日本向け) http //www.zamg.ac.at/aktuell/index.php?seite=1 artikel=ZAMG_2011-03-25GMT15 07 原子力とマスコミの癒着 http //beebee2see.appspot.com/i/azuY56bfAww.jpg 出典:広瀬隆『危険な話』(八月書館、1987年発行)第四章 "原子力産業とジャーナリズムの正体" コメント 本まとめサイトにご意見ご要望のある方はコメント欄をご利用ください。 各地の被害状況は載せないのでしょうか?土壌汚染とか -- 質問 (2011-03-25 12 14 18) 余裕があればまとめるようにしたいと思います。 スレのまとめサイトですので、スレでまとめを作ってくれる方がいましたら、 すぐ更新できますが、そういう方はいないのが現状です。 最低限関連するリンクを貼って対応できるように致します。 -- 管理人 (2011-03-26 06 54 45) 名前 コメント
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覚醒槍 メルトダウン・スピア R 水/火文明 (7) サイキック・クロスギア ■クロスギア ■これをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、パワー2000以下のクリーチャーをすべて破壊する。その後、こうして破壊したクリーチャー1体につき、カードを1枚引いてもよい。 ■これをクロスしたクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、このクロスギアをコストの小さいほうに裏返してもよい。 覚醒前:《時空槍 ニュークリア》 作者:赤烏 フレーバーテキスト DMW-12 「帝王編 第4弾 超究極覚醒(サイキック・スーパー・フォース)」剣は折れ亡き者となった。しからば槍で屠るのみ! 収録 DMW-12 「帝王編 第4弾 超究極覚醒(サイキック・スーパー・フォース)」 評価 名前 コメント